理科実験や製造現場でよく目にする「wt%」。
「普通の%とどこが違うの?」「30 wt%溶液ってどう作るの?」と疑問に感じた経験はありませんか。
この記事ではwt%(質量パーセント濃度)の意味・計算方法・他単位との比較・実務での注意点まで丸ごと解説します。
wt%とは?基本の定義を押さえよう

wt%とw/w%は同じ意味?
wt% は weight percent の略で、全体 100 g 中に溶質が何グラム含まれるかを示す質量パーセント濃度です。
ラベルでは w/w%、mass% などと書かれることもありますが、すべて同じ概念を指しています。
質量パーセント濃度の仕組みをやさしく解説
- 公式:wt% = 溶質の質量[g] ÷ 全体の質量[g] × 100
- 温度で体積が変わっても、質量基準なので値は変わりません。
- 例:20 wt% は「100 g の溶液に溶質が 20 g 含まれる」状態を意味します。
wt%が使われる主なシーン
- 学校・研究室の試薬調製
- バッテリー材料や塗料など配合比の管理
- 安全データシート(SDS)や危険物申請での成分表示
wt%の計算方法をマスターしよう
覚えておきたい公式とステップ
- 溶質量 = 目標 wt% × 全体質量 ÷ 100
- 溶媒量 = 全体質量 − 溶質量
- 実際に量り取り、十分攪拌して溶かします。
例題:30 wt% 食塩水を 100 g 作る手順
- 塩 30 g(=100 g × 30 ÷ 100)
- 水 70 g
- 塩を水に溶かせば完成です。
練習問題:数字を変えて計算してみよう
50 wt% のショ糖溶液を 200 g 作る場合、ショ糖 100 g と水 100 g が必要です。
同じ公式に当てはめれば一瞬で求まりますので、ぜひ手を動かしてみてください。
wt%と他の濃度表示の違いを比較
wt% vs vol%(体積パーセント)
vol% は体積基準です。アルコール飲料の「度数」は vol% で表示されます。
消毒用エタノールなど、同じエタノールでも用途によって wt% と vol% が使い分けられるため、ラベルをよく確認しましょう。
wt% vs mol%(モルパーセント)
mol% は物質量基準で、反応計算や相図解析に便利です。
質量からモルへの換算には分子量と密度が必要になるので、データを忘れず確認しましょう。
wt%とppm/ppbの換算ポイント
- ppm は 10−4 wt% に相当する極小単位です。
- 水溶液で「1 mg/L = 1 ppm」と近似できるのは、水の密度がほぼ 1 g/mL だからです。
- 有機溶媒や高濃度溶液では近似が崩れるため、密度補正が欠かせません。
実務でのwt%活用術
SDSでのwt%表記ルールと注意点
日本の SDS(JIS Z 7253)では成分濃度を wt% で示すのが原則です。
法令名・化学名・CAS No. と併記し、必要に応じて 10–20 wt% など範囲表示を行います。
誤記は法規違反につながるため、社内チェックリストで必ず確認してください。
バッテリー材料など産業分野の事例
リチウムイオン電池のカソード活物質比率(例:Ni 90 wt% / Co 5 wt% / Mn 5 wt%)や電解液の添加剤濃度は wt% が標準です。
輸送・輸出入書類でも wt% が求められるため、製造部門と品質部門で数値を共有しておくとスムーズです。
wt%記載ミスを防ぐチェックリスト
- 単位記号(wt% / w/w%)を省略していないか
- 範囲表示の上下値が逆転していないか
- mol% と誤って計算していないか
- 元データ(秤量値・密度)が最新版か
よくある質問(FAQ)
wt% は「%」と何が違う?
「%」だけでは質量基準か体積基準か判別できません。
正式書類では wt%(質量基準)や vol%(体積基準)など基準を明示することが重要です。
wt% から vol% へ簡単に変換する方法は?
密度データを使い、質量を体積に換算してからパーセントを再計算します。
溶液の体積は混合で変化する場合があるため、正確な場面では実測値を優先しましょう。
学生実験で wt% を使うときのコツは?
- 秤量→計算→再確認の 3 ステップを徹底する
- ビーカーを 0 点調整(風袋引き)してから秤量する
- 温度で密度が変わりやすい溶媒では、質量基準の wt% を優先する
wt% を正しく理解すれば実験の再現性が向上し、SDS やレポートの作成もスムーズになります。
迷ったときはこの記事を参考に、誤差ゼロを目指してみてくださいね。

